医療コラム(2)

花粉症

花粉症は、植物の花粉によって起こるアレルギー性の病気です。 樹木や草花の花粉が飛ぶ季節に、花粉が目や鼻の粘膜に付着することで症状が現れます。
原因となる植物は様々ですが、その代表的なものはスギです。
花粉症は、遺伝的な体質、住環境、食生活などの様々な要因が重なって起こります。

2008年スギ花粉飛散情報  http://www.sugi-kafun.com/ キッセイ薬品工業からのタイムリーな情報です

主な症状
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目・のど・顔や首の皮膚のかゆみ

その他の全身症状
集中力の低下、だるい、熱っぽい、倦怠感、イライラする

花粉症の症状が現れるしくみ

人間のからだには、体内に侵入しようとした外敵を取り除こうとする働きが備わっています。たとえば、鼻水で洗い流そうとしたり、くしゃみで外に吹き飛ばそうとしたり。ただ、人によっては、ある特定の異物に入ってこられると、この働きが行きすぎて過剰な反応(アレルギー反応)を起こします。花粉症は、からだに侵入した花粉を、敵と認めて反応してしまう過敏な体質の人に起こるのです。

花粉症の人が増えているのはどうして?

・スギ花粉の増加
昭和30年代、盛んに植林されたスギが樹齢30年を超え、花粉を多くつけるようになったことに加え、その建築資材としての価値が下がり、手入れもされないまま放置されていることが、花粉の飛ぶ量が増えていることと関係しています。

・気密性の高い住居
サッシの普及などで住居の気密性が高まった結果、ダニやハウスダストが増加し、アレルギー体質の人が増えてきました。

・食生活の変化(高たんぱくの食事)
高タンパクの食生活は正常な免疫反応にとって大切ですが、逆に、アレルギー反応も高める結果となりました。

・大気汚染
車の排気ガス中の微粒子が原因となって、アレルギーを起こしやすくさせていることも考えられます。

・舗装道路
雨とともに土の中にしみ込むはずの花粉が、アスファルトの上に残り続けるようになりました。

・ストレス社会
アレルギー症状は自律神経と深くかかわっているため、ストレスで自律神経の調節が乱れ、花粉症の症状も出やすくなります。

花粉のシーズンを迎えたら。。。

・外出する時  花粉を吸い込まないことが基本
風の強い晴れた日は、外出を控えめに、とくに、昼前から午後3時頃までが花粉の飛ぶピーク。この時間帯だけでも、なるべく室内にいたいものです。

・プロテクター付のめがねやゴーグル、マスク、スカーフ、帽子を着用する。
服は花粉がつきにくいスベスベした素材のものを選ぶ。

・髪をコンパクトにまとめ、花粉が髪につかないように。

・車内の通風口に注意
花粉の侵入を防ぐために、通風口は閉じるようにしましょう。最近では、花粉対策用のフィルターが装備されている車も多いようです。

・家に入る前は玄関先で、衣服や髪、持ち物についた花粉をはらう

・帰ったら手、顔、目、鼻を洗い、うがいをする

・目は、流水の中でパチパチまばたきをして洗うと効果的。

花粉症の治療

アレルギー性疾患である花粉症は、短期間で完治させることはできません。それでも、薬でつらい症状を少しでも楽にすることはできますし、気長に構えれば、もとから治すことも可能です。

・内服薬

内服薬には、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの原因となるヒスタミンをおさえる成分が入っています。鼻、目、のどなどそれぞれに働いて、花粉症のつらい症状をやわらげます。
内服薬には、効きめが長く持続するように工夫された薬もあります。

・点鼻薬

鼻水、鼻づまりを速やかにとめることができます。また、鼻の粘膜の充血やはれをおさえ、鼻のとおりをよくします。点鼻薬は、眠気をもよおすことが少ないという利点もあります。

・点眼薬

目のかゆみや充血をやわらげます。

・免疫療法(特異的減感作療法)

スギ花粉エキスを皮下注射し、体に免疫をつくり花粉症を予防します。

・外科的療法

レーザー治療

2週間前から始める予防法

花粉症の症状が出る前に抗アレルギー薬を予防的に用いる方法があります。花粉が飛び始める2週間ほど前からあらかじめ用いておくことで、症状を軽くすることができるのです。
この方法は、シーズン中の薬の効果をより高めるための“助走”と考えてください。